京都に復活した仁丹の看板


縦横の道が無数に交差する京都の町では、通りの名前が分かれば現在地を把握することもできます。通りを覚えてしまえれば一番ですが、それも観光客には至難の業。そんな時に助かるのが、通りの家に貼ってある「仁丹」の住所表記看板。年々数が減っていたそうですが、今年から新たに増設されています。
仁丹の住所表記看板は正式には「町名琺瑯(ほうろう)看板」と言います。全て戦前に設置されており、全国的に戦火でその多くが失われ、さらに近年の再開発で年々数は減る一方。戦火の少なかった京都でもこの十数年で数は4割も減り、750枚弱まで減少していたそうです。そこで昨年「京都町名琺瑯看板プロジェクト」なるものが発足して復活に動き出し、その第一号が今年の2月10日に京都市役所前に設置されました。写真は、京都で復活した18カ所の1つです。
なお「琺瑯(ほうろう)」とは、鉄にミクロン単位に磨り潰したガラス質(アワガラス)の釉(うわぐすり)を800度の高熱で焼き付けて仕上げたもので、看板に着色する数だけ釉を高熱で焼き付け、乾燥・焼成を繰り返します。ガラス質の釉を焼き付けているので、光沢を帯びた仕上がりとなり、耐久性・耐候性が高い看板になるそうです。
レトロな雰囲気のある看板。仁丹のほかにはフジイダイマルのものもよく見かけます。街歩きで道に迷った時には、家の壁を探してみてください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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