養源院は、文禄3(1594)年、豊臣秀吉の側室であった淀殿が、父の浅井長政の追善供養のために創建したお寺です。その後、火災で焼けてしまいますが、淀殿の妹で徳川2代将軍・秀忠の妻である崇源院(お江)が伏見城の遺構を移して再建。以後、徳川家の菩提所となり、歴代将軍の位牌が祀られています。淀殿とお江(ごう)は、豊臣方と徳川方に分かれましたが、それぞれが関係しているお寺というのも珍しいでしょう。
廊下の天井は血天井として有名なほか、白象や唐獅子、麒麟(きりん)の杉戸絵は俵屋宗達の筆として知られています。春は門前のしだれ桜が彩り、カエデが覆う参道は、今の時期は青もみじ、秋には紅葉が見事な場所として人気があります。暑くなり始める今の時期は、木陰の涼しさがありがたいところ。きらめく参道にいざなわれながら、歴史深い境内へと進んでみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。