節分の聖護院

聖護院の鬼
節分の聖護院は、境内に参拝できる貴重な機会です。

聖護院聖護院は本山修験宗の総本山で、平安時代の末期、白河上皇の時代に、修験僧として名を馳せていた増誉(ぞうよ)大僧正が、上皇の熊野詣に際して先達を務め、その功績によって寺を賜ったのがはじまりで、のちに「聖体護持」から2字を取って聖護院と名乗りました。後白河天皇の皇子が入寺して以来、門跡寺院として高い格式を誇りました。例年秋に特別公開期間が設けられていますが、それ以外の期間は基本的には非公開というお寺です。

聖護院の白梅節分の2月2日・3日は、拝観料も不要で夜の20時頃まで境内に入ることができ、修験道特有の蔵王権現像や役行者(えんのぎょうじゃ)像など、貴重な仏像に手を合わせることができます。修験道は日本古来からの山岳信仰と仏教や道教が結びついた、日本独自の信仰形態です。厳しい山々で修行し、困苦を忍び、心身を修練して法力(験)を得て、やがては悟りを開き即身即仏を目指します。

聖護院 山伏のご祈祷さて聖護院では、不動明王が宸殿に3躯(く:仏像の単位)あり、さらに三宝荒神と孔雀明王、役行者に蔵王権現像もあります。それらの仏像を特別に目の前で眺め、手を合わせることができるのですからたいへん貴重な機会です。宸殿向かって左(東)の本堂には、智証大師・円珍作という平安期の不動明王像があります。像容も美しく、暗くなる時間帯に向き合うと昼間以上にありがたみを感じます。

聖護院の鬼また、宸殿や書院内部の保存状態の良い見事な襖絵も目の前で見ることができ、その格式の高さを感じられます。こちらも暗くなる時間帯のほうが金箔の輝きが感じられるでしょう。節分の日は、宸殿前で蝋燭や節分豆を求めると、山伏さんよりご祈祷もして頂けます。お昼間は鬼が境内をウロウロしていることもありますが、聖護院の鬼は話しかけてきたりフレンドリーな鬼です。機会がありましたら、ぜひ節分の聖護院にも訪れてみてください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。

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