祇園祭 神輿洗とお迎え提灯行列 速報版


祇園祭は10日を境に17日の山鉾巡行や神幸祭に向けて行事が続きます。鉾建ても始まりましたが、夜には神輿洗が行われ四条大橋や八坂神社は大いににぎわいました。(今回はダイジェストで簡単にご紹介し、後日じっくり映像でもご紹介したいと思います。)

近年、祇園祭は「夜のお祭り」だと思うようになりました。重要な神事はその多くが夜に行われます。神幸祭・還幸祭、宵山も夜ですし、神輿洗も神遷しも夜に行われます。山鉾巡行は祭りの本旨から行けばあくまで前座。祇園祭の本質は夜の行事に見出せるのかもしれません。10日は神輿を宮川(鴨川)の水で清める神輿洗の儀。辺りが暗闇に包まれるころに始まります。

その前に、神輿を迎えるお迎え提灯行列があります。午後4時半に八坂石段下を出発して京都市役所前へと向かいます。昨年もご紹介しましたが、参加人数はおよそ350名、馬も出る立派な行列で見ごたえがあります。市役所前では鷺踊り・小町踊・祇園祭音頭が軽快に披露され、休憩の後再び八坂神社へと戻っていきます。今年も市役所前での見事な舞踊を見てから四条大橋で場所取りをして、お迎え提灯の帰りを待ちました。

お迎え提灯は神輿を迎える行列で、八坂神社に戻るころに後ほど神輿が通る道を清めるための大松明が四条大橋へと向かってきます。この儀式(道清めの儀)は「勇壮な火祭り」と言えるでしょう。本殿から大晦日のをけら詣りで知られる「をけら火」を移し、大松明に点火します。松明は一旦八坂神社へと戻っていきますが、神輿洗の時には再びお清めとして同行します。

神輿洗が行われるのは四条大橋の北側。洗うとは言ってもザブザブと水をかけたり、川に直接入るわけではなく、午前中にくみ上げた水を神職が榊に浸して神輿に振りかけます。このとき、飛び散るしぶきに当たると厄除けになるといい、子どもさんを肩に乗せた親御さんなどが神輿の周りを囲みます。一般観光客で水にかかるには場所取りにコツがいりますが、今回は私もたっぷりと浴びることができました(笑)

祇園祭のガイドブックでも神輿洗の行事はここまでしか載っていないものが多いです。が、実はまだまだこの行事には続きが待っています。それらのお話はまた近日中に記載予定です。四条烏丸界隈では鉾建ても始まりました。12日には曳き初めも行われ、夜には知る人ぞ知る「12日の宵山」があります。屋台もなく、出ている鉾は少ないものの、人がほとんどいません。粽も買えますし、一部の鉾には上ることもできます。人が多い時にはありえない、お囃子中の鉾に上がれることもあります。ご興味のある方は、四条烏丸界隈の鉾町へ繰り出してみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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