10日の午前10時から四条大橋周辺で神用水清祓式が行われました。
祇園祭の行事はいよいよ10日から本格化。朝から鉾立も始まっています。八坂神社の神事では10日は神輿洗を中心に様々な行事が続く日です。10時から四条大橋界隈で行われたのが、神用水清祓式(しんようすいきよはらえしき)です。雅楽の先導で仲源寺を出発した神職ら関係者一行が四条大橋の南側から鴨川へと水桶を垂らして、川の水を汲み上げました。
四条大橋の南側から南の松原橋(旧五条大橋)にかけての鴨川は、この神用水清祓式で水を汲むエリアのため、お宮さんの水を汲む川という意味で「宮川」と呼ばれています。花街の宮川町の名もここから来ています。水を汲み終わると、四条大橋の南東に移動して神用水の前で神職が大祓詞を奏上し、お祓いをしたのち、桶に蓋をされて安置されました。このまま夕方の神輿洗を待つのです。
神輿洗は、10日20時から行われ、八坂神社から中御座の神輿がやってきて四条大橋の上に置かれると、神用水を榊に浸して神輿に振りかけます。その際に、周りの人々にもかかるように大きく榊を振り、この水にかかると1年間無病息災で過ごせるとされます。ただ、神輿洗が行われる四条大橋は大変な混雑となり、昨年からは事前の場所取りもできなくなって見るのが困難な行事となっている点にご注意ください。
この神輿に水を振りかける所作は、一般的には清めと解されますが、各種神事が終わった28日にも再度同様の神輿洗が行われることから、鴨川の水神を神輿に宿す行為なのではないかという考えもあります。祇園祭は疫病鎮めの祭りですが、河川が氾濫すると衛生状態が悪くなって疫病が流行りやすくなるため、川の神を鎮めるのだという考え方も一理あるでしょう。いずれにしても、古くから伝わる祇園祭の行事のひとつです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。