清水寺の青龍会は、2000年に始まった比較的新しい行事で、清水寺門前会の皆様によって奉納されています。風水思想では東方の清らかな水がある場所は「青龍」の地とされ、清らかな水が涌きあふれる清水寺の音羽の滝には、観音の化身である龍が夜ごと飛来して水を飲むといい伝えられています。また、奥の院の南端には夜叉神堂があって、縁結びの観音に対して人々の悪縁を断つ(+良縁を結びなおす)として信仰を集めていました。すなわち青龍の地の清水寺で、音羽の滝の龍の故事と夜叉神への畏怖の念が結びついて、人々の安寧を祈願する青龍会(せいりゅうえ)が始まりました。以上は、清水寺門前会のホームページを参考に記載しています。
青龍会は本堂を経て奥の院から始まります。奥の院は狭いながら龍の動きを目の前で見られる場所でもあります。その後、一行は音羽の滝を通って西門(さいもん)から階段を下りてきます。西門では最初に法螺貝を吹いて先触れを行う「転法衆」が進み、続いて鎧姿の「四天王」らが順次下りてきて、いよいよ青龍が登場します。操っている方々の表情は真剣そのもの。連携も見事です。法螺貝や「南無観世音菩薩」の掛け声が響き渡り、厳かな雰囲気に包まれました。
普段は通ることが出来ないこの門から独特の衣装を来た一行が下りてくる場面は、青龍会のハイライトにもなっています。龍の頭や脚、うろこの裏にはびっしりとお経が書かれている様子もお見逃しなく。青龍会では仮面をつけた「夜叉神」が、幸福・厄除・招福を祈る観音加持を行います。具体的には八功徳水の法水を振りまき、一人一人の幸せを祈念してくれます。
西門を下りた一行は清水寺門前広がる商店街へと向かい、龍はところどころで勢いよく店に入って、厄除け招福を祈願していきました。この青龍会は、毎年3月14・15日、4月3日、9月14・15日のそれぞれ午後2時より行われています。門前会の皆様の気合みなぎる表情や統制のとれた所作も含め、一見の価値がある行事。次は4月3日ですので、足を延ばしていただくのもおすすめです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。