新熊野神社の綱掛祭 2018年

新熊野神社 綱掛祭
12月23日に、新熊野神社綱掛祭が行われました。

新熊野神社 綱掛祭新熊野と書いて「いまくまの」と読みます。京都検定一級受験者の間では間違えやすい漢字として有名かもしれません。新熊野神社は、平安時代の末期、後白河上皇の御所・法住寺殿の中に、平清盛が造営した神社です。清盛は熊野権現を篤く信仰していました。清盛がまだ安芸守であったとき、舟を使って熊野へ参詣した際に、大きな鱸(すずき)が舟の中に飛び込んできました。鱸は出世魚で、これは熊野権現のおぼしめしだと修験者が食べることを勧めるので、精進潔斎をしていた身ではあったものの、清盛が自ら調理をして食べたといわれています。

新熊野神社 綱掛祭その後の清盛の出世は目覚ましく、ついに最高位の太政大臣にまで昇りつめて行きました。熊野信仰は平氏だけでなく、当時の皇族・貴族の間にも広がっていて、後白河上皇は生涯に34回も熊野詣をしたそうです。新熊野神社は、清盛が熊野から土砂を運んで創建したともされるほど、篤い信仰心によって築かれました。今も境内のシンボルとなっているのが、後白河上皇のお手植えといわれる大きな楠。健康やお腹守護のご利益でも知られ、植えた後白河上皇のお腹の病を治したと伝わります。

新熊野神社 綱掛祭ご神木である立派な楠にかけられている綱を掛け直すのが綱掛祭で、毎年12月23日に行われています。神事やお祓いの後、長さ約10m、太さ約20cmといわれる太い綱が参列者によって運ばれ、楠に掛けられていきます。そして綱が新しくなると、場所を変えて神事が行われ、楠に対して参拝し参列者が順番に玉ぐしをささげて、来る年の無病息災を祈願しました。参列後には厄除けの御幣も授かることができました。神社では新年に向けた準備が着々と進んでいます。大きな楠がそびえる新熊野神社、初詣にもおすすめです。

 

「京ごよみ手帳2019」訂正のお知らせ

・P39の三十三間堂「楊枝のお加持と大的大会」の日程が1月14日となっていますが、正しくは「1月13日」です。
・P225の「京都御所」のデータで、2番の休みは「月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休あり」です。
ご迷惑をおかけいたします。

 

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。

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