青蓮院は天台宗の数あるお寺の中でも大変に格式の高いお寺。天皇の皇子や摂関家の子が門主(住職)を代々務めた門跡寺院としての歴史を誇り、江戸時代には後桜町上皇の仮の御所としても使われました。更には天台宗に伝わる秘法(熾盛光法)を伝え、全国でもこちらだけの御本尊・熾盛光如来(しじょうこうにょらい)は、国家の安泰や国民の繁栄、天変地異を鎮める、皇室の加護など、国家的な災厄を鎮める仏様として信仰されています。
平安の昔から続くこれだけの格式があればこそ、そのお庭も当代きっての名作庭家が手掛けています。主庭は、室町時代の相阿弥の作庭と伝わり、そこから連続するもう一つの霧島つつじが美しいお庭は、二条城・二の丸庭園や南禅寺の方丈庭園、仙洞御所の庭も手掛けたとされる江戸時代の初期の作庭家・小堀遠州の手によるお庭とされています。
青蓮院の魅力の一つは、建物からの眺めと歩く眺めの両方を楽しむことが出来る点です。皇室とつながりの深い門跡寺院ということで、建物は再建されたものも含めて御所風。最初に入る華頂殿からは額縁のようにお庭を眺めることができ、じっくりと座って風景を眺め、雨や滝の音に耳を澄ませて過ごせば、この部屋だけでも時間があっという間に過ぎていくことでしょう。新旧の素晴らしい襖絵も眺めつつ、小御所や宸殿などを歩けば、一歩ごとに変わっていくお庭の様子に心が癒されます。
一方、お庭を散策すれば、雨にしっとりと濡れて艶めきを増す緑の中へと誘われ、雨のなかでも心地よさが勝ります。京都はこうして少し足をのばせば、都会とは別天地のような場所がいくつもあるというのが素晴らしい。青蓮院は建物からの眺めもよし、お庭を散策してもよしという魅力たっぷりのお寺。雨の日にも大変おすすめです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。