将軍塚青龍殿は、国宝の青不動を保存するために、北野天満宮前にあった「平安道場」(旧大日本武徳会京都支部武徳殿)を移築、再建した建物です。平安道場は、大正3年竣工の大正天皇御大典記念に建造された武道場で、老朽化により解体処分が決まっていましたが、貴重な木造文化財であることから、青蓮院が入手して東山山頂に運び、多額の費用と労力をかけて2014年に無事に落成しました。
青龍殿の存在感はやはり大きく、その内部に設けられた奥殿に国宝の青不動二童子像が掲げられています。青不動は平安時代に描かれた貴重な仏画で、高野山明王院の赤不動、三井寺の黄不動とともに日本三不動画のひとつに数えられています。現在は通常は非公開で、精巧なレプリカを常時拝することができます。
さて、青龍殿のもう一つの見どころは、圧倒的な眺望です。建物の裏側に回ると、清水の舞台の4.6倍もの広大な舞台があり、京都の西から北を中心に抜群の景色が望めます。ただ、この日は雨とあって、もやがかかり遠くまでは望めませんでしたが、何度訪れても素晴らしい光景ではあります。そして、後半の2014年に新しく整備をされた庭園も苔が潤って生き生きとしていました。もうじき桜も咲いて、境内はたいへん華やかになることでしょう。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。