京都では遅咲き桜が見ごろを迎えていますが、遅咲きの八重紅しだれ桜には極端に花付きの悪い木が散見されます。
京都の桜も終盤。遅咲きの桜が見ごろに入り、各地で賑わっています。ところが今年は八重紅しだれ桜の様子が例年と違い、花付きが非常に悪い木が散見されます。半木の道はまだ綺麗な状態でしたが、平安神宮はやや物足りない印象。ただ、この2カ所はたくさんの八重紅しだれ桜が植わっているため、総じて見応えはあります。
一方、大覚寺の勅使門前の桜や龍安寺石庭の1本桜は、花付きが悪く、例年を知っていると信じがたいほどの寂しい状況となっています。仏光寺の桜も同様でした。「満開」ではあるのですが、そもそも咲くべき花が付いておらず「ただの枝」が目立ちます。なんとも残念な状況です。
考えられるのが、昨年からの異常気象。12月~2月の平均気温は、過去136年間で観測史上1位の高温。昨年は11月も同様に過去最高の気温の高さで、さらに10月は日照時間の多さが100年に1度レベルでした。こうした異常気象が続いている影響で、八重紅しだれ桜に花が少なくなってしまったと思われます。今年の桜の終盤に来て残念な様子ですが、ただ厳しい気象環境の中でもよく咲いてくれたとも思います。少ないながらも咲いている個々の花は、近くで眺めればとても綺麗です。そして例年通りに花付きが良い木もあり、花が少ない木が全てではありません。今年は今年なりの桜を楽しみ、また来年に期待をしましょう。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。