建仁寺・霊源院 甘茶の庭

霊源院 甘茶の花
建仁寺の霊源院が6月17日まで特別公開されています。アジサイに似た甘茶の花が咲き、涼しげな雰囲気です。

霊源院霊源院は建仁寺の南東にある塔頭寺院で、普段は非公開です。2015年の冬に70年間にわたって京都国立博物館に寄託されていた中厳円月(ちゅうがんえんげつ)という高僧の木像が寺に戻り、「京の冬の旅」で特別公開されていました。その時の目玉は、中厳円月像の胎内仏として発見された毘沙門天像。左手に掲げた水晶玉に、伝教大師・最澄が持ち帰ったという仏舎利が納められているという小像で、仏師・湛慶の作とされます。以後の特別公開でも毘沙門天像を拝むことができ、美しい姿を目にできます。また中厳円月の像もまるで生きているかのような見事な彫刻で、脇にある木村英輝さんの絵や、金澤翔子さんの書も必見です。

霊源院今回目にできる甘茶の庭は甘露庭(かんろてい)と呼ばれています。霊源院は玄関から部屋全体が見渡せるほどの広さしかありませんが、部屋の奥のお庭と玄関付近にガクアジサイの変種である甘茶が咲いています。甘茶の花だといわれないとアジサイだと思ってしまうような花です。青い花は涼やかで、暑くなる今の時期にはぴったりです。

霊源院 甘茶の花甘茶は仏教には関わりのある植物です。仏教の祖であるお釈迦様が生まれた時に甘露の雨が降り注いだという伝説があり、4月の灌仏会では天地を指さす釈迦の誕生仏に甘茶をかけるという経験をされたことのある方もあることでしょう。霊源院では甘茶の木を植えてから6年目だそうで、2015年から公開をはじめてこの時期の風物詩として定着をしてきています。

霊源院 甘茶今年は、本物の「甘茶」の接待も行われています。料金は拝観料の500円とは別に500円。数に限りがあるとのことです。甘茶はお寺で採れたものではなく、九州の八女茶だそうです。個人的には、甘茶は子どものころに花まつりで毎年いただきましたので、そのころを思い出させてくれました。塩芳軒の干菓子も美味ですが、先に食べると甘茶の味が分かりにくくなるため、まずは甘茶だけを先にいただいてみるとよいでしょう。公開は17日まで行われています。

 

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。

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