岡崎ときあかり あかりとアートのプロムナード 2012年


28日まで、岡崎の神宮道一帯でライトアップイベント「岡崎ときあかり あかりとアートのプロムナード」が行われています。今宵(27日)は十三夜の名月、大鳥居と月が美しいコラボレーションを見せてくれました。

このライトアップイベントは今年で2年目。昨年は雨の中見てきました。その様子は昨年のブログをご覧ください。今年は昨年よりも写真を高画質で撮って来ましたが、やはり平安神宮の大鳥居や応天門がライトアップされる姿は美しい。

そして今夜は十三夜の名月。秋には2回の名月があります。一つはご存じ「中秋の名月」。今年は先月30日にありました。もう一つの名月は、旧暦で中秋の名月の翌月にやってくる「十三夜」。中秋の名月に対して「後の月」とも呼ばれています。中秋の名月は十五夜とも呼ばれる”満月”ですが、十三夜は満月の手前のまん丸ではないお月さまです。

完全な満月ではない月がなぜ名月なのでしょうか。中秋の名月は中国から伝わった文化ですが、十三夜のお月見は日本ならでは。平安時代に宇多天皇が清涼殿から見上げた月に感激したところから名月となったとされます。きっと完全ではないものに惹かれるのは日本人の「心」なのでしょう。京都では「吉野窓」と呼ばれる、真円ではなく底が平らになった丸窓があり、知恩院・御影堂では屋根に置かれたままの瓦が見られるなど、「不完全」をよしとする文化はあちこちで目にすることができます。また、秋はひと月ごとにどんどん寒くなるため、早めに昇る月を夕方のうちに見てしまおうとしているのだ、とする説もあります。月齢が若いほど月は早く昇るので、理にかなっていますね。

また、夏の月は空の低いところを進みますが、秋や冬になると月は空の高いところを進んでいきます。高さが24mもある大きな鳥居のさらに上に白い月が輝く様子はやはり美しく、名月にふさわしい眺めでした。ライトアップされた応天門も昨年同様にとても幻想的。宇多天皇が清涼殿から月を愛でたように、平安神宮に夜に入って眺めることができたら素晴らしいだろうなぁと感じました。

岡崎ときあかりでは、京都市美術館や京都府立図書館が芸術的にライトアップされるプロジェクション・マッピングも目玉の一つです。プロジェクション・マッピングとは、建物の表面を大きなキャンパスに見立てて映像を投影するもので、建物の形状に合わせて映像が映されるため、芸術的な美しい光景を見ることが出来ます。京の七夕では二条城の二の丸御殿、東山花灯路では知恩院の三門が同じように照らされますが、実は同じ芸術家が手掛けています。京都府立図書館のプロジェクション・マッピングは今年からで、非常に見ごたえがありました。ライトアップは明日28日まで。岡崎公園ではお店も出たり、イベントもあったりして、昨年より盛り上がっている印象ですので、機会のある方は足を運んでみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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