八坂神社 舞楽奉納

11月3日に、八坂神社舞楽の奉納が行われました。京都全体で見ても、本格的な舞楽の奉納です。

八坂神社の舞楽奉納では、境内の舞殿前に3mは優に超える大太鼓(だたいこ)を組む本格的なもので、弥栄雅楽会によって奉納されます。その時間はおよそ3時間にわたり、まさに王朝文化の再現といったイメージで、ゆったりとした時間軸の中で進められていきます、休憩は途中に2回挟まれます。演目は定番もあれば、毎年少しづつ変わるものもあります。

八坂神社での舞楽奉納は平安時代の中ごろ、円融天皇の病気平癒のために奉納されたことに始まります。その後、崇徳天皇の頃からは毎年奉納されるようになりました。中世には応仁の乱などによって中断しますが、幕末の孝明天皇の折に復興し、現在は弥栄雅楽会に引き継がれています。

今回の演目は、清めの意味で奉納される「振鉾(えんぶ)」、そして「桃李花(とうりか)」、幼女が舞う「迦陵頻(かりょうびん)」、少女が舞う「胡蝶(こちょう)」、蛇でもおなじみの「還城楽(げんじょうらく)」、「萬歳楽(まんざいらく)」、演奏のみの「長慶子(ちょうけいし)」と続いて行きました。

舞には、左舞(さまい、左方舞とも)、右舞(うまい、右方舞とも)がありますが、左舞は大陸から伝わってきた中国・インドを発祥とする舞、右舞は朝鮮半島から伝わってきた舞になります。それぞれ楽器の構成などいろいろ違いはありますが、最もわかりやすいのはその装束の色の違いです。今回の演目では、胡蝶が「右舞」でそれ以外は全て「左舞」。左舞では、原則として赤色系統の装束を用い、右舞では緑色系統の装束を用います。

さて、どの舞も優雅で、笙(しょう)や篳篥(ひちりき)などの音が時代を超えて独特な空間を作りだして行きます。やはり生演奏は違いますね。京都では様々な神事でも基本的には雅楽の生演奏が多く、耳を楽しませてくれます。それにしても、舞は時間の流れがゆったりとしています(この日は12時開始の予定が20分ほど遅れ、せっかちな現代人の中にはイライラを募らせている方もおられました)。こちらも時間的な余裕を持って、じっくりと眺められるとよいでしょうか。以下、動画もありますので、しばし御観覧ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。


2 Responses to “八坂神社 舞楽奉納”

  1. Steven Nelson says:

    「上手い」「さまになる」について述べられていることが疑わしいと思います。右舞ができる遥か前に成立していた『万葉集』にも「うまし」という単語が用いられていることを考えればいいのではないでしょうか。「さまになる」も同様に、左舞とは無関係に成立しうる単語でしょう。怪しい言語学者による怪しい語源説を、繰り返さない方がよいかと存じます。

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