倒木被害が相次いだ京都

京都御苑
台風21号が接近した京都は大雨と強い風に見舞われました。京都市内は総じて観光に大きな影響はないレベルですが、一部で倒木などの被害が出ています。

鴨川23日夜から24日明け方にかけて、京都も大雨と強い風が吹きました。紀伊半島沖を台風が進むコースは、丹波高地で大雨となりやすく、今回は最悪の事態は避けられましたが、それでも雨量がかさみ、由良川水系を中心に浸水被害が拡大しました。八幡市の流れ橋は、昨年75㎝嵩上げされましたが、木津川の水位が平成になって最高を記録したそうで、流出してしまいました。一方で、天竜寺の観測点の水位は2013年の台風による増水時と比べると大幅に下がっていると見受けられ、河川改修の効果は出ているように感じました。

京都御苑一方、24日未明からは強烈な北風が吹き荒れました。平均風速の最大は15.4m/sの風を記録、最大瞬間風速は30.9m/sに達しました。この数字は京都では稀な数字で、平均風速では1965年以来、52年ぶりの強さとなっています。神戸など他の地域でも同様に52年ぶりの暴風となったところが多かったようです。平均15m/s程度の風は、風に慣れている海沿いなどではたいした被害は出ませんが、京都のように風に慣れていない場所では、倒木などの被害をもたらしました。

京都御苑特に被害がひどかったのが京都府立植物園で、倒木は100本以上におよび、休園に追い込まれました。まだ開園できるまでに数日は要するそうです。また、西本願寺では、阿弥陀堂前の樹齢約200年という巨木のイチョウの大枝が折れてしまったそう。毎年12月初めには美しい佇まいを見せてくれていただけに、たいへん残念です。御影堂前の水吹きイチョウは無事のようです。また、嵯峨野の竹林も竹が倒れるなど、目に見えて被害が出ているようです。

法然院下にて今日私が見てきた範囲では、京都御苑も倒木や倒木の恐れのある木があり、小枝や落ち葉は無数に落ちていました。いつものような美しい状態に戻るにはしばらくかかりそうです(管理されている方々は本当に大変そうです)。そして法然院から銀閣寺へと向かう道の途中も倒木で通行止めになっていました。24日の段階で復旧作業中でしたので、もう通れるようになっているかもしれませんが、倒木の処理は重さもあって大変そうでした。

京都御苑このように一部では被害が出ていますが、強調しておきたいのは一部被害が出ているところを除き、総じて観光に大きな影響はありません。私も今日は東山を移動しましたが、一見いつも通りの場所がほとんどです。観光に来られる方は、あまり心配せずとも大丈夫でしょう。台風が過ぎ、ここからが観光日和です。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。

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