台風21号の影響で、5日の京都は拝観休止が相次ぎました。被害は短期間で復旧できるところから、長期化するところまで幅があります。
台風21号による記録的な暴風で、倒木被害が多発している京都。5日は午後から様子見に外出してきました。樹木の被害は場所によって差が大きい印象です。強調しておきたいのは、あらゆる木が見渡す限りなぎ倒されているのではなく、倒木は総じて全体の1割未満。私の感覚では5%程度だと思います。つまり9割以上の木は健在。もちろん大小の枝は折れているので、無事とは言えませんが、決して「京都中の木が壊滅」となっているわけではありません。今回掲載する写真は被害の光景ですが、無事な木のほうが多い点にはご留意願います。
そして、すでに報道をされている一部を除くと、歴史的に貴重な建物が倒壊したり、倒木での破損が多発しているわけでもないようで、境内の倒木や枝の処理が済めば1-2日で再開できるところが多いとみています。ただ、大覚寺や平野神社、建勲神社など、しばらく立ち入り禁止となる場所は大いに心配です。また、ニュースにならない倒木がないか、具体的には1本しかないような桜の銘木などが心配で、個人的に見に行ってきました。本満寺のしだれ桜、千本釈迦堂の阿亀桜、妙蓮寺の御会式桜、平野神社の魁桜は「生存確認」。1本しかないので、涙が出るくらい安心しました。
他の貴重な銘木も無事でいてくれることを願いたいですが、醍醐寺なども被害が大きいようで、大変心配しています。また、平野神社の境内は相当数の桜が倒れてしまっていました。本当に悲しく、残念なことです。近衛邸跡の被害も相当と聞いています。今年の春までのような光景が戻るには、相応の年数を要することになるのかもしれません。また、状況が分かり次第、このブログでもご紹介できればと思います。
紅葉シーズンにも大きな影響が出る社寺もありそうで、北野天満宮では地主神社裏のイチョウの枝の多くが無くなってしまい、今後は例年のように屋根を黄色く染める光景は見られない可能性が高そうです。心底残念でなりません。境内では神職の方が懸命に復旧作業に当たっておられました。下鴨神社も糺の森の被害が甚大で、同様に多くの方が頑張っておられました。また、京都御苑も相当な倒木が出ています。復旧作業にあたっておられる方々には、心から感謝をしたいです。一日も早く、通常の運営に戻ることを願ってやみません。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。