関東甲信が梅雨明け 近畿の梅雨明けも間近か?

鴨川
29日に関東甲信地方の梅雨明けが発表されました(速報値)。1951年の統計開始以降で最も早い梅雨明けで、初の6月での梅雨明けとなりました。

鴨川太平洋高気圧が東から日本を覆い、関東甲信地方の梅雨明けが29日に発表されました。平年の7月21日より3週間以上も早い、異常な早さとなっています。ただしこれは速報値で、9月に確定値が発表されます。もし今後、梅雨空が戻ってきてしまうと、修正される可能性もゼロではありません。

嵐山梅雨入りや梅雨明けというのは、季節に人為的に境目を付ける行為ですので、純気象学的なものではない場合があります。気象台の担当者が発表するに当たっては、平年日との比較や過去の統計などを踏まえた、様々な心の揺れ動きがあることでしょう。基本的に、人間が季節にはっきりと境目をつけることは難しく、冬入りや夏明けなど、他の季節では明確な境目を発表していません。気象台も梅雨入りの発表について「梅雨は季節現象であり、その入り明けは、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。」と、補足の文章を出しています。しかし、世間にはなかなかそうした正論は伝わらず、「○月×日(頃)」と特定の日付で発表している以上、外国の乾季と雨季の境目のように、その日を境に天候が変わると受け取られがちです。あくまで参考情報と捉えておきましょう。

ムクゲの花また、梅雨入りや梅雨明けは地域単位で発表されるため、例えば近畿の梅雨明けを想定する場合、和歌山で晴れていても、兵庫北部でくもりや雨となっていれば、発表を見送ることもあります。一方で、梅雨明けが平年より大幅に遅れている場合などは、地域全体で真夏らしくならずとも気象台は梅雨明けさせることもあるでしょう。

コブシの実近畿地方でも7月1日からは晴れマークが並んでおり、梅雨明けさせる可能性があります(人が発表するものなので「させる」という言葉を使っています)。関東甲信で先に梅雨明けをさせているので、他の地域でも梅雨明けの判断はしやすいはずです。1951年の統計開始以降で、近畿の最早の梅雨明けは7月3日のはずですが、記録を更新するかもしれません。今年は長い夏になる恐れがあります。体調には十分にお気を付けください。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。

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