立秋 これから秋を感じられる頃


今年は8月8日が立秋です。気温の平年値のピークはまさにこの立秋の頃まで。「立夏」の記事にも書きましたが、立秋も「今日から秋」ではなく「これから秋を感じられる頃」なのです。

立秋と気温

京都の最高気温の平年値のピークは8月6日まで。8月7日からは気候表の上では、どんどん気温が下がっていきます。既に夏至の日から太陽の光は斜陽を迎えていますが、約45日間は日差しと気温が逆行していました。そしてとうとう「立秋」の頃から気温にも衰えが見えはじめ「秋」「冬」へと向かって行くのです。一年には夏と冬しかないという人もいますが、その視点で行くと、立秋の頃はまさに一年の節目に当たるのでしょう。
現代の私たちは「梅雨明け」のように明確な区切りを付けたがりますが、昔はもっと緩やかに捉えていたのだと感じます。本当に二十四節気はよく出来ていますね。
しかし現実には外はまだ暑い。気候表を見れば京都の真夏は沖縄よりも暑いんです。北海道がうらやましいですが、比叡山の上は札幌とほぼ同じ気候です。
京都で年間の最高気温を観測した日を見ると、2010年はなんと9月4日の38.1℃!2009年は8月8日の36.1℃、2008年は7月に観測、2007年は8月16日の38.6℃で、「立秋」以後に年間の最高気温を観測することもよくあります。

初めての秋

暑中見舞いも「残暑見舞い」に変わり、天気予報でもこれから涼しい日が予想されれば「7月並」ではなく「9月並」となっていきます。予報の表現も後ろではなく前を向き出します。まだまだ暑い日は続きますが「これから秋を感じられる頃」を過ぎ、真夏のすじ雲(卷雲)も、やがては秋の寂しさを演出する雲へと変わっていきます。同じ空でも、時期や立場、心によって空の感じ方はずいぶんと変わるものです。

私が密かに毎年楽しみにしているのが「初めての秋」探し。先日は鷹峯で赤とんぼを見かけました(ただこれは夏でも平地にいるナツアカネのようです)。それと、天気図を見ていると、あるんです!秋の空気がバシッと入ってくることが。しかも「近畿だけ」のように。空気が澄んで乾燥して、暑いのだけれどそれはもう秋の空気。夕焼け空を見ながら「初めての秋」を感じる日。今年はいつ、やって来てくれるでしょうか。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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