先日、南丹市にある美山かやぶきの里へと足を延ばしてきました。
京都府の中部、南丹市美山町知井地区にある「北」の集落は「かやぶきの里」と呼ばれ、50戸のうち38棟がかやぶきの屋根です。その伝統的技法を用いた景観の保存度への評価は高く、平成5(1993)年12月には、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。現在も実際に人が生活の場として住みながら保存をされているのも特徴です。
アクセスは、京都市街地から周山街道(国道162号)を北へ進む経路や、京都縦貫道の園部ICで下りて南丹市日吉町経由で向かう方法があります。いずれも京都市街地からは約1時間半ほどの道のりです。経路詳細はこちらをご覧ください。現地には広い駐車場もあるため安心です。また、京都駅や園部駅からバスで行く方法もありますので、興味のある方は調べてみてください。
さて、かやぶきの里は山を背景にした坂道に立ち並ぶかやぶき屋根が印象的で、日本の原風景とも呼べる景観がよく残されています。地域内は結構入り組んでいるため、案内標識や地図を見ながら歩くとよいでしょう。訪れた日は、屋根の葺き替えをしている家もありました。集落近くの由良川(美山川)の反対側には茅場があり、ススキを確保する環境もあります。屋根葺きは職人技ですので貴重な場面を目にすることができました。
茅葺屋根は、吸音性、断熱性、保温性、通気性に優れているとされ、瓦屋根とは違った特性があります。一方で、火に弱いという弱点もあるため、美山では至る所に放水銃が設置されています。通常はそれとわかりにくいように工夫もされているのが面白く、例年5月20日と12月1日に一斉放水があり風物詩ともなっています。
集落の奥のほうにあるのが「美山民俗資料館」。300円でかやぶき建物の中に入ることができます。屋根裏の様子や間取り、内部の環境などもよくわかり、さらに貴重な農機具も数多く展示されています。お茶も出していただけ、風を感じながらゆっくりとできるのも魅力。昔ながらの雰囲気を感じられるたいへんよい場所ですので、ぜひ訪れてみてください。
かやぶきの里は、周囲の田んぼの様子など四季折々に風景が変化し、花も多く植えられています。特に近年はカメラマンや海外の方も多く訪れる人気の場所となっていますが、それもうなずける魅力があります。夏はサルスベリも絵になりました。京都からはやや離れていますが、懐かしい日本の風景が残っている場所です。機会があれば足を延ばしてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。