平安神宮の節分祭で、応天門での方相氏を見ることができました。
平安神宮では、3日の午後に節分行事が行われます。14時~は大儺之儀(だいなのぎ)があり、かつて平安時代の宮中で行われていた行事を、京都大学の教授が時代考証をされ、衣装や道具までを忠実に再現したものです。大儺之儀での注目は、四つ目の方相氏(ほうそうし)。方相氏は中国伝来の呪術師で、金色の目を4つもった面をかぶり、神通力のある矛と盾を持って矛を地面に打ち鳴らし、大きな声を出しながら宮中を厄除けのために歩いたそうです。4つの目は、人間の目には見えない邪気を見つけ出すといわれています。
大儺之儀では、拝殿前の斎場でまず儀式が行われます。独特な歩き方をする陰陽師も見どころの一つ。方相氏は、矛と盾を打ちならして「鬼やろう」と言いながら斎場を三周ほどします。その後、応天門へと向かい、門でも同じく邪気を払う儀式を行います。矢も射られて、やはり桃の弓が使われています。こうして邪気を払い、大儺之儀は終了します。平安期の儀式ではこのように鬼は登場しません。(ただ、平安時代も終わりになると、その様相から方相氏が鬼とされて追い払われてしまうようになります。)
今回は知恩院から猛ダッシュで移動をして、応天門前での様子を少しだけ見ることができました。応天門で見るのは3回目です。京都でも方相氏が登場するのは珍しく、運が良かったです。実はメインで狙っていたのはこの後の「鬼の舞」。その様子は次回以降でご紹介します。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。